塗膜防水と塗布防水の特徴

塗布防水の具体的な内容

 

塩ビシート塗布防水のメリットについて付言すると、外断熱仕様が可能であること。逆にデメリットとしては駆体にビスを打ちこむさいに振動と騒音を発生させること、駆体に強度が求められること(老朽化した建築物には適さない)、歩行に適さないことが挙げられます。

 

加硫ゴムシート塗布防水は、EDPM(エチレン・プロビレン・ジエンゴム)とIIR(プチルゴム)をブレンドし加硫剤を添加してシート状に成型した加硫ゴムシートを、接着剤で下地に固定する防水法です。シートそのものは安定した分子構造を有することから、伸展率も高く耐候性にもすぐれますが、シート相互の接着は接着剤と粘着テープによるので、アスファルトや塩ビのように溶融一体化しないという弱点があります。

 

つまりラップジョイント部分が溶融して密着しないため、年月とともにわずかなすき間が広がって、そこから雨やキッチン周りの水はねが浸透してしまいやすいということ。

 

防水機能をキープして長もちさせるには定期的な点検と、状況に応じて補填剤を注入する必要があるのです。

 

こうした特徴をもった塗布防水は、屋上やバルコニーなどふだんひとが歩いて使用する場所や、水はねの多いキッチンや洗面所の床にはあまり適さず、もっぱら壁などにもちいられることが一般的。