塗膜防水と塗布防水の特徴

塗膜か塗布か、使い分けがポイント

 

塗膜防水と塗布防水には、上述したようにそれぞれの特徴があります。塗膜防水は液状のウレタンゴムやアクリルゴム、FRPなどを刷毛やメーラーなどで塗りつけて膜をつくる方法であるため、施工する建物が複雑な形状であろうと対応が可能。

 

またシームレスなので見栄えもよく、床や木道、ベランダなど広範囲にもちいられています。

 

さらに耐久性にすぐれ、補修は5、6年に1回程度、最上層の膜を塗りなおすだけで15年は防水性を保持できる点も強み。

 

ただデメリットとしては、乾燥した環境で施工しなければならないため、工事に時間がかかってしまうことと、膜の硬化は湿気や化学反応によるため気温などの環境に左右されやすいことなどです。

 

一方、塗布防水は塩化ビニール系とゴム系に分かれ、どちらも伸縮性に富んでいるため、どんな建物にも適応できることがメリット。

 

とくにゴム系は材料が軽量で柔軟性が高く、コストが安くすむという利点があるのです。塩ビ系は耐摩耗性にすぐれていること、絶縁工法に向いているといった点が挙げられます。

 

ただし、デメリットも存在。まずシートの形状となるためジョイント部分が重なってしまい、外観が多少とも損なわれることと、施行面自体が平面に限られる点などです。また摩耗などで劣化した場合、シート交換のための経費も覚悟しておかなければなりません。それぞれの特徴をふまえたうえで、選択してください。